日本人はもともと、霊的感覚が鋭く精神性が高かったと思うのですが、世の中が便利になればなるほどそれらの感覚は鈍り、多くの人は目に見えるものだけを信じる(唯物主義)ようになったと思います。

では、この霊的感覚を研ぎ澄まして取り戻そうとするにはどうしたら良いでしょうか?

やり方はいろいろありますが、一つには、日本の文学を読むことだと思います。
意外に思われるかと思いますが、芥川龍之介、夏目漱石、森鴎外、泉鏡花などなど。
明治から昭和初期の日本文学は私達の本来持っている、日本人特有の情緒・研ぎ澄まされた感覚を蘇らせてくれます。

霊的感覚を鋭くするには、「スピリチュアル」や「精神世界」と分類されているものを読むのが一番手っ取り早いと思われる方が多いとは思います。
ですが、「スピリチュアル」という言葉は英語のspiritualから持ってきた言葉であることからわかるように、西洋由来の考え方が多く、意外と日本人の私達には理解することが難しいものが多いです。そのため、間違った解釈をしてしまいがちです。この点がスピリチュアル的な考え方が、欧米に比べて我が国では理解され広まらない大きな理由になっていると私は考えております。

「スピリチュアリズム」は日本人の私達にとって決して難しいもの・特殊なものではなく、私達日本人が、本来持っている情緒や美意識をただ思い出すだけで理解が容易になるものなのです。特殊能力でも何でも無く、私達が生来みんな持っている感覚です。

ここでは以下、それら「忘れてしまった霊的感覚や直感」を研ぎ澄ませることができる、お勧めの文学をいくつかご紹介したいと思います。(現代語版で読みやすくなっているものが特にお勧めです。)

☆芥川龍之介「蜘蛛の糸」

☆森鴎外「高瀬舟」

☆志賀直哉「小僧の神様」

☆正岡子規 「病牀六尺」(びょうしょうろくしゃく)
※こちらは、随筆集です。結核で寝たきりになった子規が、病床からみる、庭の景色や日常をユーモアを交えて綴ったものです。脊髄カリエスも併発し、大変な苦痛と痛みに襲われながらも、決して感傷的にならない、日本男子の心意気を見て取ることが出来ます。

どれも文章が短く、とても読みやすいです。小学校や中学校の教科書にも採用されているものなので、お子様にも大変お勧めです。

読んだ後はみなさんが、それぞれ違った感想や、思いを抱くと思います。私達の中にある日本人のDNAが刺激されるように感じるかもしれません。体の中で湧き上がる様々な感覚を楽しんでいただければと思います。