「ヒマラヤ聖者の生活探求」の書評 はじめに

 

今日からしばらくの間、私が最初に出会ったお気に入りの書籍について、内容と簡単な書評を、1章ずつ連載してご紹介していきたいと思います。
この方面に詳しい方ならご存じの方も多いと思いますが、
「ヒマラヤ聖者の生活探求」は今から50年近く前に日本語訳が出版された5巻からなる本です。

採鉱の専門家である著者が、他の分野の専門家達10人と共に、インド・チベット等における記録を調査するために現地を訪れたところから話が始まります。そして大師たち(聖者)と出会い、ある期間生活を共にして、受けた教えが記されていきます。

私が持っているのは1960年代に翻訳されたものなので、格調高く、日本語の言葉遣いが少し難解です。昨年になって、成瀬雅春先生による現代語版が出版されましたので、初版のものよりだいぶ読みやすくなってはいます。

内容的には、最初のうちはやや難しいかもしれません。ですが、この本は他の本ではなかなか感じることが出来ないような、透明で清らかな明るいエネルギー(あるいは気)の波動を持っています。
みなさまも、ご縁のある方はぜひ手にとってみて下さい。

余談になりますが、今回新版で翻訳された成瀬先生には、半年ほど前に、とある会合でお会いする機会に恵まれました。
普通に生活していてはまずお会いする事が出来ないヒマラヤ聖者を実際に目の前にして、大変な興奮と畏敬の念に包まれました。その日私は、開始時刻まで少し時間があったので、会場のロビーにあるソファーに座っていました。すると目の前を成瀬先生がすーっと通られ、クロークで荷物を預けられていました。私は立ち上がり、成瀬先生に声をかけたい衝動に駆られましたが、どうしても恥ずかしさが勝り、ただ立ち尽くすことしかできませんでした。
荷物を預けた成瀬先生は、立っている私をチラッとご覧になったものの、通り過ぎ、会場のある地下へと階段を降りて行ってしまわれました。
「お話することは出来なかった・・・」と思いながら、ふっと後ろを振り向くと、なんと先ほど階段を降りて行ってしまわれたはずの成瀬先生が、いつのまにか戻って来られて、私の後ろのソファーに座っておられるではありませんか!
「ご挨拶してお話したい」との私の願いを感じ取って叶えて下さった先生に感謝しながら、その後貴重なアドバイスをいただいたことは言うまでもありません。

つづく